無花粉スギ

前回からの続きです。

「無花粉杉」とはいったいなんなのか、について、まずは検索してみました。すると、例えば神奈川県山林種苗協同組合のサイトに、こんな記述を見つけました。

「無花粉スギとは花粉を全く生産しないスギで、神奈川県で生産している花粉症対策苗木の一つです。平成16年度に県内で1本発見され(国内の太平洋側で初めて)、平成21年度から苗木の生産を開始しました。」

また、富山県森林研究所のサイトをみると、30年以上前から無花粉杉について取り組んでいることがわかりました。自然界での最初の発見は古く、1992年とのこと。その後、研究開発を続け、また、新たに発見した種もあり、今では複数の品種を育苗しているようです。

なるほど、無花粉杉というのは、もともとは自然に存在していたものなんだ。となると、一見害がないような感じがします。でも、さまざま読み進めると、はたしてどんなものか、疑問が浮かんできました。

例えば、富山県森林研究所の発行物『優良無花粉スギ 「立山 森の輝き」』では、自然界への影響についてこのように書かれています。

「花粉を出さない特性が劣性遺伝(*)であることから、今あるスギ人工林の一部を無花粉スギに置き換えても、無花粉のスギが大規模に広がる可能性はほとんど無いため、自然界への悪影響も無いと考えています。」

この、「スギ人工林の一部」とあるのは、どの程度を想定しているのでしょう?
そして、雄性不稔(文中では「劣性遺伝」)についても、次のように書かれていて、矛盾しているような印象を受けます。

『「座主坊」という富山県選抜品種が「Aa」型で無花粉になる遺伝子を保有していることから、この品種と「立山 森の輝き」の優良個体を掛け合わせて、より優れた無花粉スギ品種を開発中です。』

これはつまり、雄性不稔ではなくなる、ということではないのでしょうか?
この辺り、ひき続き調べることにします。

ちなみに、林野庁のサイトをみると、基本的に「無花粉スギ」という言葉が見当たらなく、「花粉の少ないスギ」とあります。この違いは、どう捉えるといいのでしょうか。これについても、ぜひ調べてみたいと思います。

*「劣性遺伝」は現在では「潜性遺伝」と呼ばれる。
・日本の人工林のうち、どの程度を無花粉スギに置き換えようとしているのか
・無花粉スギは潜性遺伝しか存在しないのか
・林野庁のいう花粉の少ないスギとは何を指すのか
(1.9.2026一部加筆修正しました)

pagetoparrow